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データドリブンマーケティングでふるさと納税寄附額が1年で1.9億円から2.7億円に | ResorTech Okinawa
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IT通信株式会社は、南風原町に本社を置くIT企業です。システム開発を本業としながら、南風原町のふるさと納税事業においては、返礼品の開発や付加価値向上 のほか、ウェブプラットフォーム上で広告出稿の最適化を行い、2020年度に1億9000万円だった寄附額を2021年度に2億7000万円まで向上。さらに2022年度は既に4億円を大きく超え、年度末となる2023年3月には5億円を超える勢いで伸ばしています。
前々年、前年と比較して右肩上がりで寄附額が増えている

目覚ましい成果を生み出しているのは、返礼品ごとの寄附額を単価や広告出稿額と照らし合わせて毎日分析する徹底的なデータドリブンマーケティングです。データ分析の着眼点や寄附額を伸ばした施策について、代表取締役の高橋庸正(たかはしようせい)さんと、プランナー/コピーライターの赤平伸也(あかひらしんや)さんに伺いました。

地元密着企業がデータの力を活かし、一気通貫で取り組むふるさと納税

全国各地の自治体がその魅力や特産品をPRしているふるさと納税。多くの方に寄附をしてもらうために重要なのが、ふるさと納税プラットフォーム(各自治体の返礼品をキーワードやジャンルから一括で検索し、寄附の手続きができるウェブサイト)上でのPRです。

県内でも多くの自治体が取り組んでいますが、南風原町からの委託を受けてふるさと納税の運営管理業務を担っているのが、IT通信株式会社と南風原町商工会がタッグを組んで立ち上げたジョイントベンチャー、南風原町ふるさと納税事業共同企業体です。IT通信株式会社の社長である髙橋さんが商工会や3つの通り会に理事として加盟して関係性を構築し、返礼品の開拓にも奔走しており、名実ともに地域密着型企業と言える存在になっています。

代表取締役の高橋庸正(タカハシヨウセイ)さん

そんなIT通信株式会社が力を発揮しているのは、データに基づいて、プラットフォーム上での見せ方の工夫から返礼品の形態まで、全体を通した施策を実施しているから。
例えば、プラットフォーム上で返礼品を検索した結果の掲載順が上位であるほど寄附につながりやすくなりますが、検索結果の最上位には、広告単価を高く入札している順に返礼品が並びます。これに続いて、 寄附額の多い人気の返礼品が表示されます。寄附検討者の目に止まるよう、上位表示を獲得するために必要なのは、返礼品の魅力と広告の入札単価で競り勝つ施策。ライバルは全国の自治体です。
こうした事業環境の中、日々管理画面を注視しながらデータドリブンマーケティングを統括しているのが赤平さんです。

「お客様が『沖縄 マンゴー』『沖縄 オリオンビール』などのキーワードで検索した時に一番目に表示されるよう、できることを全てやっています」(赤平さん)

「例えば、少し前までトップだった『ブランド豚の切り落とし2.5kg寄附額1万円』の寄附件数が下がって行ったことがあります。調査すると他の自治体が『4kg寄附額1万円』で出していることがわかりました。これに引っ張られるように、他の自治体も単価を下げていたんです。これでは勝てるはずがありません」(赤平さん)

データを確認してすぐ、髙橋さんが生産者のもとに直接出向いて状況を説明。話し合いの結果、コスト的に採算が取れる部位をメインとした返礼品を新たに出品することが決まりました。また、返礼品の魅力強化のため、単価だけでなく返礼品の構成も見直すことに。

「ひと世帯あたりの同居人数が減っている今、1パック500gの豚肉が冷凍で届いても1度では使いきれないですよね。事実、他の自治体の返礼品を含め、そのような意見がレビューには多く投稿されていたりします。そこで生産者さんと相談し200gずつの小分けのパッケージに変更。また返礼品一覧ページに表示される名称の文字数48文字に合わせ、そこに収まるよう返礼品名の文頭に【小分け】という文言を挿入しました。このように訴求すべきポイントを明確にしたところ、今では多くの寄附を集める新たな人気返礼品へと成長しています」(赤平さん)

返礼品そのもの・単価・見せ方まで一気通貫にコントロールしたことが、寄附額の向上につながったのです。

データで明らかにした寄附の関門。様々な施策で寄附につなげる

広告の費用対効果を示す管理画面

プラットフォーム上での広告の出稿においては、データに基づく戦略を立てることで効果を上げています。特に費用対効果のデータを注視し、一定の水準以上に維持しています。

「2022年度は現在(12月)までに2万4000件の寄附が集まっています。そのデータを注視することでわかってきたんですが、キーワード検索で結果が表示され、クリックされて寄附申込みに至るまでにいくつか関門があり、この関門を抜ける確率は返礼品の種類によってばらつきがあるんです。例えば、オリオンビール1ケースは高確率で寄附までたどり着きます。ところが、マンゴーになると確率が下がる。高めのクリック単価を設定してせっかく検索結果の上位に表示されても、さまざまな分量や品種が並ぶマンゴーの場合、お客様がどれにしようか迷うため、寄附の確定まで至る確率が低い。その点オリオンビールは検討軸が少ないので、上位表示さえ獲得して単価を低く抑えておけば、すんなりと寄附につながります。こうしたデータを踏まえ、広告予算を効果的に配分できるようになりました」(赤平さん)

また、牛肉や卵のように全国的にライバルが多い返礼品は、上位表示のための競争も激しくなりがち。激戦となるアイテムでの戦いは避け、「ポーク卵」など沖縄にしかライバルがおらず、勝ち目のあるキーワードで検索上位を獲得する戦略を採っています。

「他の自治体が単価を上げてトップ表示を奪いにきたら、プラットフォーム側がキーワードごとに上位を獲れる目安の単価(上の図の「目安CPC」)という形で教えてくれるので、すぐにわかります。36ある勝ち筋のキーワードについては、この数字を常時チェックし、変動があれば僕の携帯にアラートが来るようにしています」(赤平さん)

キーワードごとに広告単価を設定する

「現在、9つのふるさと納税プラットフォームを走らせていますが、キーワードを検索したユーザーが寄附に至ったかをデータで知り、意思決定に反映できるサイトもあります。ユーザーの動きが感知できないと、出品し、広告を出して寄附が集まるのを待っていることしかできません。データがあれば能動的に寄附額を上げに行く打ち手が見つけられますし、打ち手のトライアンドエラーを繰り返せばノウハウが蓄積していくプラットフォーム外のSNS広告なども試しましたが、やはり寄附に至ったかどうか追えないことがネックになり、予算を割いてまではやらないと決めました」(髙橋さん)

量だけでなく関係性の質も重視し、新たな特産品や伝統工芸品の出品を後押し

ここまで紹介してきたように、データを日々分析し、寄附に至りやすい返礼品にリソースを集中させて寄附額のトップラインを引き上げる戦略を取るIT通信株式会社。その一方で、地元の生産者が意欲的に取り組む特産品も積極的に後押ししています。

「ふるさと納税は単なるネット販売ではなく、あくまでも南風原町の経済や社会の活性化のために運営されているものです。なので、データ上では寄附額の上位に上がって来なくても、地元にとって大切な品物には力を入れています」(髙橋さん)

その一つが、琉球絣や南風原花織といった伝統工芸品です。南風原町には工房が集中する「かすりの道」があり、日々コツコツと織り機に向かう職人たちの手で伝統が守られています。

「すごい技術を持つ方がいらして、お会いするたびに『ふるさと納税に出品してください』とお声がけしていたのですが、なかなか書類を出してくださいませんでした。そこで、『一緒に書きましょう』とアポイントをとって出かけました。そうして出品していただいた帯に数十万円の高額寄附が寄せられ、出品者様にとっては大きな収入に。ITに馴染みのない方とITを人のつながりの力で近づけることで得られた成果です」(髙橋さん)

また、地元の農家グループが小規模栽培していたバナナなど、新たな返礼品として大きく育つ可能性の芽も見えていると言います。

バナナの生産者グループを構成する宮城孝次(みやぎたかつぐ)さんと赤嶺武則(あかみねたけのり)さんは、「 バナナは、普段はそれぞれカボチャや蘭を専門にしている農家どうしが、空いた土地と時間を使って取り組んでいる新しいチャレンジ。伝票や送付状などを商工会が用意してくれるので、我々の出荷作業は収穫したバナナを箱に入れるだけで、少量でも収穫するたびに出荷でき、非常にありがたい出荷先です」と笑顔。

バナナの生産者グループ南風原町農友会の宮城孝次さんと赤嶺武則さん

「バナナの事例では、日に焼けた生産者の方々をかっこよく撮った写真を公式Instagramに掲載したところ、facebookでたくさんのフォロワー数を持つ個人の方のシェアを誘発して、ページ閲覧数と寄附件数が急激に伸びました。情報をオンラインに載せることのパワーを実感しています」(髙橋さん)

SNSを使って生産者を身近にするコミュニケーションは、寄附者と生産者の心の距離も近づけました。台風で予定通り収穫できなくなった時も募集を中止するのではなく、台風で荒れた畑の写真と共に収穫まで時間がかかる旨の説明と、それよりに発送が遅れる事へのお詫びをメッセージとして発信したところ、寄附件数は逆に増える結果となったのです。

「ふるさと納税の寄附者の方々は、少なからず『地域を応援したい』という気持ちで返礼品を選んでくださっています。地域の実情に合わせて、そうした気持ちに寄り添うコミュニケーションをすることで、常に人手の少なさや天候に左右される地元の産業を理解してもらい、守り育てることにもつながります。今後も、ただ寄附額を増やすだけでなく、ふるさと納税が本来目指す関係性の質を大切にしながら、新しい特産品を育てていきたい」と高橋さん。

こうした実例も含め、商工会の理事会などでデータをもとに寄附の実績や内容について情報共有することで「それならこんなものを出してはどうか?」と新しいアイデアが出てくることも多いそう。デジタルの活用がふるさと納税に関わる人々の意欲に火をつけ、地域を活性化しています。

沖縄県南風原町役場企画財政課の仲里航(なかざとわたる)さんにお話を伺うと、「ふるさと納税は、すでに人気のある返礼品が多くあった方が有利。これを前提として、南風原町という町に興味を持ってもらうことがゴールなので、限りある資源の中からいかに寄附者の興味に合わせて知られざる資源をPRするかが重要」と、寄付者の関心の把握や、町の新たな魅力の発掘をポイントとして挙げています。
寄附者の動きや興味を把握するIT通信の企業努力と、商工会のネットワークを活かした新たな返礼品の開拓がうまく噛み合った南風原町のふるさと納税。町の方針にもしっかり寄り添う形で成果につながっています。

データを徹底的に活用することで、一人でも多くの寄附者とのつながりを増やし、生産者との信頼関係を育もうと励む髙橋さん。「今後は、地元企業どうしがタッグを組んでふるさと納税市場に挑むノウハウを、沖縄県内の他の自治体にも横展開していきたい」と意気込みを語ってくれました。

社名:IT通信株式会社
住所:沖縄県島尻郡南風原町字兼城123 POPビル4F
設立:2004年7月2日
事業内容:
・コンピュータシステム及びソフトウェアの開発、販売、保守
・WEBサイトの企画、制作、運営
・広告宣伝及び販売促進並びに印刷物に関する企画、制作、実施
・ビジネスホン、ボタン電話、デジタル電話交換機の販売、設置、保守
・パーソナルコンピュータ、複写機、ファクシミリ等事務用機器の販売、設置、保守
・IT導入支援

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