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社長の旗振りで業界に先駆けてICタグによる機材管理を実現! | ResorTech Okinawa
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建設現場で使用する機械・資材のレンタルを手掛けて42年の歴史を持つ有限会社大宮工機。身体が資本である建設業界ではデジタルよりもリアルが重視される印象があるが、大宮工機は2006年から自社開発のシステムでIT化の歩みを始めていた。
その中心的存在となっているのは、代表取締役の宮城光秀(みやぎ・みつひで)氏だ。
2014年に入社し、宮城氏の右腕となっている営業企画部の島袋翔五(しまぶくろ・しょうご)氏と共に、新たなシステムやツールのカスタマイズはもちろん、既存システムの改善等も行い、クライアントやスタッフのために奮闘を続けている。

課題提案をしやすい雰囲気作りとその課題の論理的整理が大事

友人の助言を受け、専門外にもかかわらず自力でシステムを構築

代表取締役・宮城光秀氏(以下、敬称略):弊社は1980年、左官用機械・資材の販売・修理会社として創業。建設機械のトレンドが所有からレンタルに移行しつつある時期だったため、創業から4年後にはレンタルに業態変更しました。

宮城:私の前職は東京の某電気メーカーの営業です。ちょうど1人1台ずつパソコンが支給され始めた頃で、デジタル化も進み、その便利さを感じていましたね。1997年、沖縄に戻り、父が社長を務める大宮工機に入社しましたが、当時は請求書もまだ手書き。アナログを絵に描いたような会社で、前職とのギャップの大きさはかなりのものでした。

宮城:IT企業に勤める同級生に社内システムについて相談したところ、「システムを入れたいなら自分で作った方がいい」と言われました。しかし、システム構築は専門外。Microsoft®Accessを使い、見よう見まねで社内システムを構築していきました。売上管理システムでは、顧客ごとに請求書の締日や発行日が異なる、指定用紙がある等、細かい対応ができるように気を遣いました。システム発注にはかなりの資金が必要だと知っていたからこそのアドバイスだったのでしょうね。当時、大宮工機は社員15人程度。投資に見合わないということだったんだと思います。

代表取締役・宮城光秀氏

宮城:最初に作ったのは、社内システムの中の請求書を発行する簡単なシステムだけだったので、数カ月で完成させることができました。手書きの場合、月末の請求書発行のために、定時17時の経理担当者が約1週間毎日21時頃まで残業して対応しなければ追いつかない状態。完成したシステムを利用することで残業の必要がほぼなくなり、毎月20時間程度の時間外勤務の削減になりました。

宮城:その後、少しずつさまざまな機能を追加してきました。中でも大きな変化を感じたのは、建設機械の在庫・仕入管理に関するものです。

島袋翔五氏(以下、敬称略):システム導入前は、数の少ない大型機械はホワイトボードの表でどうにか管理していました。小型機械や資材は種類も数も多く、何が何台貸し出せるかをすぐには把握できない状態でしたね。依頼が入った段階でバタバタと確認作業を行い、何とかやりくりしていたんです。

効率化の大きなきっかけとなるCTIシステムを開発・導入

宮城:こうした状態を解消するため、2006年、建設機械レンタル受付のCTI(Computer Telephony Integration<コンピュータ・テレフォニー・インテグレーション>)システムの運用を開始しました。レンタルの注文は主に電話で入りますが、こちらのシステムは、あらかじめ登録したお客様の情報とかかってきた番号を突合させることができます。電話を取るとパソコン画面にお客様の情報が表示されるんです。

受電後に立ち上がるCTIシステムの受付画面

宮城:お話をうかがいながら、機械の種類、個数、貸出希望日などを入力。電話を終えたら伝票を出力し、配送担当のスタッフに渡せばOKです。

宮城:システム導入前は、電話中にメモした内容をノートに清書、それを見ながら配送スタッフが手書き伝票を起こし、配送に出る流れでした。受注から配送までの3〜4ステップが省略されて時間短縮につながると同時に、メモや清書、ノートの確認といったミスが起こりやすい手順を省くことができ、正確な手配ができるようになりました

請求書発行も1クリックで終了
※Access=Microsoft®が提供するデータベース管理ソフト
※Computer Telephony Integration=電話、FAX、モデムなど電話系装置からデータベース上の顧客情報を検索し、コンピューターの画面上に表示させるシステム

2009年からICタグによる機材管理を実現!

宮城:2009年には、市販のICタグを使った商品(レンタル機材)の管理システムを導入しました。前社長が「こういうことができたら」と温めていた構想を私が実現した形です。

レンタル機材一つ一つに取り付けるICタグ
高圧洗浄機に取り付けられたICタグ(右上部の赤丸の部分)

島袋:情報を登録したICタグを各商品に取り付け、リーダーで読み込むとその情報が表示される仕組みです。ICタグには「商品コード」と「番号コード」が登録されているだけですが、これをAccessで作成した商品リストと連携させています。商品リストでは、商品コードや番号コード、「清掃中」「整備中」「修理中」といった状態、レンタル中であれば顧客情報、貸出日、返却予定日が記入できるようにしています。

島袋翔五氏

島袋:以前は商品情報を紙台帳で管理していました。問い合わせが入った段階でまず台帳を見ますが、情報が更新されておらず所在が分からないといった場合も多く、担当スタッフに聞く、機材保管センターに見に行くといった確認作業のため、お客様をお待たせするケースも頻発していたんです。今ではパソコン上ですぐにチェックできるので、お客様をお待たせすることはなくなりました。

宮城:ICタグによる管理の導入は全国的にも早い方だったと思います。このシステムの根幹は“整理整頓”です。商品を整理整頓して、ソフトウエアの中でさらにその情報を整理する。リアルの情報を整理してデジタルに置き換えるのはなかなか大変です。私たちもまだ100%できているわけではありません。

宮城:弊社のレンタル機材は、約300種類、10,000台ほど。2009年のシステム導入以降、業務の合間を縫って少しずつ登録を進めてきました。一つ一つに情報を登録し、ICタグを取り付けるには膨大な時間と手間が必要ですが、その結果得られる効率化のメリットは本当に大きなものです。業界では全国的に見ても先進的な事例となっており、現在、日本を代表する大手企業から協力依頼があり、県内建設現場への導入に向けて準備を進めているところです。

管理システムの肝、レンタル機材のリスト

チャットツール「direct」の導入で電話のやり取りが激減!

宮城:配送に関する社内のやりとりも改善が必要でした。配送終了時の連絡は電話で行っていたのですが、1日あたりの配送件数は50〜100件。その回数分電話のやりとりが発生することになり、事務所スタッフにも配送スタッフにも大きな負担になっていたのです。

宮城:そこで、携帯電話とパソコンで位置情報をやり取りできるアプリツール「GPS map」(現在はサービス中止)を導入。配送終了時に位置情報を通知、事務所スタッフがパソコン上で確認するというシンプルな方法に転換しました。その結果、電話のやり取りが減り、業務に集中できるようになりました。

宮城:社内の情報共有のためにチャットツールの導入を検討していた際、「direct」にGPS Mapと同様の機能があるのを知り、「direct」を導入して位置情報の共有とチャットツールを一本化しました。directの使い勝手はほぼLINEと一緒で、違う点はセキュリティー対応されたイントラネット(※)の環境でも運用ができること。また、グループの中でその投稿を読んでいないのは誰か分かるので、連絡事項の共有漏れを防ぐこともできます。

「direct」でのやり取りイメージ

島袋:2021年11月からは日報も「direct」から入力できるようにしました。「報告書bot(ボット)」から始業時は健康チェック、酒気などのテスト結果をフォームに入力。終業時には結果報告をします。チーム全員が入力を終えると、報告書が完成。上長もチェックできるので、上申もスムーズですし、フォーム入力のみなので操作も簡単です。

宮城:パソコンだけでなく、スマートフォンからも入力できるので、昼休憩や配送先での待機時間など、空き時間に入力を進めておくことも可能です。

島袋:日報作成はExcelで行っていたのですが、1人ずつしか入力できないのが難点でした。17:00以降に日報入力が始まると順番待ちが発生し、ひどい時には1時間待たなければならないこともあったのです。「direct」に“bot(ボット)”()を組み込んで日報機能を追加したことで、そうしたことは一切なくなりました。私たちは上限50人のプレミアムプランを使用していますが、自社の状況に合わせ、機能の追加や仕様の変更もフレキシブルに行える点は大きな特徴です。

※direct(ダイレクト)=チャットツール。チャットボット対応のほか、音声・ビデオ通話、スタンプ、アンケート機能なども備える。無料のフリープランから100人までのマックスプランまで、5つのプランから選択可
※イントラネット=企業内など内部に限られたプライベートネットワーク
※bot(ボット)=ある一定のタスクや処理を自動化するプログラムやアプリケーション。ロボット(robot)が語源とされている

 

デジタル化の歩みを止めない姿勢はスタッフまで浸透

宮城:スタッフにはデジタル化に関する改善提案はいつでもしてほしいと伝えています。改善の提案は自分の業務についてしっかり考えていなければ出てきません。提案してくれることはとてもありがたいことだと思い、耳を傾けています。

島袋:CTIシステムにも「この枠をもう少し広げてほしい」「印刷時のずれを修正したい」など、随時改良要望が出てきていますね。

島袋:今後着手したいのは、スタッフの勤怠管理。給与明細は2020年からデジタルになったので、月末に提出する勤務表もデジタル化を検討したいと思っています。「Direct」にも勤怠管理に使えそうな機能があるのですが、スタッフの疑問の声で却下されてしまいました(笑)。勤怠管理も弊社に合った方法を模索・検討して導入します。

宮城:仕事の方法もかなり変わりました。自らAccessを使っていろいろなものを構築してきましたが、IT化を考える上で大事なことは、「Aの事象に対してはBを表示させる」「Cを選択するとDに進む」という論理的な整理だと感じます。地道な経験と論理的思考が積み重なって回路がつながることで、IT化はより加速度的に進められるのではないかと思います。

宮城:現場スタッフの業務フローとそのプロセスで発生している課題を把握し、IT担当者や連携するIT企業が協力して論理的に整理することは大切ですね。それにはまず、現場が声を上げやすい雰囲気作り、経営陣の率先した舵取りも欠かせません。今後もこうした流れを止めないよう、しっかりと取り組んでいきたいと思います。

【PROFILE】
社名:有限会社大宮工機
住所:沖縄県島尻郡八重瀬町字外間99番地
創業:1980年5月1日(設立1987年5月1日)
役員:取締役会長 宮城靖一
代表取締役 宮城光秀

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