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「上間弁当天ぷら店」上間喜壽氏が進めた経営と業務のDX | ResorTech Okinawa
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沖縄本島中部を拠点に7店舗(2021年9月に新規2店舗開店予定)を展開する「上間弁当天ぷら店」(株式会社上間フードアンドライフ)の会長を務める上間喜壽(うえま・よしかず)氏は、U&I株式会社代表として県内企業を中心とした経営コンサルティング、SCOM株式会社取締役として県内事業者への投資を行うなど、自身の会社経営にとどまらず、県内事業者を幅広くサポートしている。

上間氏の経営者人生のスタートは、都内の大学を卒業して間もない2009年。今のようにDXという言葉が一般的ではなかった当時から、経営にデジタルを取り入れて自社の課題を解決してきた。その経験や知見を基に新たな事業を生み出す様子はまさにDXと言っても過言ではない。今回、中小企業が抱えるさまざまな課題を解決するヒントがぎっしり詰まったこれまでの歩みを振り返っていただいた。

ステップ1

企業の成績表である「数字(財務)」を全く把握できない。まずは数字を把握するためExcelでの管理を開始

事業を引き継いだ時は、「上間弁当天ぷら店」も仕出し弁当の「仕出し上間」も、財務諸表といった経営上の数字を全く把握できない状態だったので、原価、売り上げ、固定費など…基本的な数字の把握からのスタートでした。

そのために最初に導入したのは、皆さんご存知のマイクロソフト「Excel」です。私はプログラムができなかったので、日々の受注量の統計に加え、その日に必要な数量、作業のスケジュールが自動で算出される仕組みをExcelで作ったんです。事業を引き継いでから4〜5年くらいはこのスタイルで処理していました。

私たちの会社だけでなく、中小企業の経営戦略は、そもそもデータに基づかない“当てずっぽうの空中戦”が多い印象があります。「最近タピオカ店が人気だから、始めたら売れそう」「次はこれがはやりそう」など、ジャストアイデアの域を出ない。それではもちろんダメで、データを基に戦略を立てて実行する必要があります。そのためには、やはり会社の数字を把握しなければ始まりません。

私が思うに、改革が進まない一番の理由は、「(経営者が)数字を把握していない」から。把握しなくてもどうにかやっていけるので、その必要性を感じないんですよね。でも、数字を把握しないと会社の課題や改善点は見えてきません。課題が売上にあるのか、原価にあるのか、もしくは、固定費にあるのかを正確に把握できず、改善するにもどこから手を付けるべきか、判断が難しいと思います。

ステップ2

Excelでの管理の限界を感じ、クラウドの会計ソフト「会計freee」を導入

4〜5年にわたってExcelでの会計を行ってきましたが、ある日、Excelの使い方を私だけしか把握できていない状態に危機感を覚えました。

この状態は、危機管理においても、会社の発展においても良くありません。そこで、社内で数字を共有することにしました。さらに、スタッフも“経営”という視点から会社を見られるようにしたいという思いもあって、これまでのノウハウが蓄積されたデータを活用することが可能なクラウド会計システム導入の検討を始めました。

システム会社に相談して、最終的に導入したのは「会計freee」。決め手はAPI接続()が簡単だったことと、“リアルタイムで数字を把握する”というスピード感が私たちの思想にフィットしたからです。単純な会計ソフトでは汎用性がないものが多く、5年間蓄積してきた「上間弁当天ぷら店」の独自の知見を活用できませんでした。

「会計freee」の使用を前提に、自社データを活用できるシステムを組んでもらいました。この会計システムは各店舗のレジにもつながっています。

会計システムを整え、経営上の数字をリアルタイムで把握できる仕組みを作ったからこそ、数字に基づいたアクションを確実に、タイムリーに取ることができるようになりました。

手書きの受注伝票を油で揚げてしまう事件も発生。iPadを使ったPOSレジを自社開発し、業務効率を改善

効率的でない部分が多かった業務フローの見直しにも着手しました。その最たるものは手書きの受注伝票。入った注文を広告の裏にメモし、束ねて工場に手渡していたんです。注文の抜け漏れは当たり前でした。時には、伝票を天ぷら油の上に落として揚げてしまった、という大事件も起きてしまったり(笑)。

こうした手書きや伝言ゲームのような状況を効率化しようと考えた時、正確でタイムリーな情報共有ができるという点から自ずとデジタルの活用にたどりつきました。

数字をしっかり把握しようとする時に大事なのは、「売上が発生した際は、商品名や価格など、レジをきちんと打つ」ということ。「当たり前ではないか」と思われるかもしれませんが、中小企業や店舗は、意外にここができていない。商品が売れてもレジを打たないということも多いようです。レジや会計システムに投資したのは、どの商品がどの時間帯に売れているのか、店舗ごとにどんな動き方をするのか、きちんとしたデータを取るためには業務の見直しが必要だったのです。

会計freeeとの連携にも改良を重ね、今では商品ごとの製造原価や粗利をリアルタイムで確認できるようになりました。商品価格の変更も、本部のシステムに入力するだけで各店舗のレジに即時反映。多店舗展開されている企業さんにはこの利便性が分かっていただけると思います。

このように自社開発したPOSレジのデータをクラウド会計システム「会計freee」につなげることで、定番商品や売れ筋商品、時間帯別、商品別、客層別の売上などの数字がリアルタイムで把握ができるようになりました。

リソースは限りあるもの。“選択と集中”で法事用仕出し弁当販売を強化

レジ開発の次に着手したのが、仕出し弁当への“業務の集中”です。データ収集・分析を始めてから、それほど忙しくないのになぜか売上が高い日があることに気付きました。突き詰めていくと、それは法事のある日だったんです。スタッフに聞いてみると、「単価が高い弁当でも、法事の日は注文してその弁当を買いに来ますよ」ということだったので、看板やカタログ作成、チラシ配りなど、まずは通常のセールスプロモーションを行いました。

それだけでも引き合いが増えましたが、さらに、県内全域への配達にも踏み切りました。低価格のお弁当は競合店が多かったのですが、法事用仕出し弁当を扱う店はあまりなく、競合が少なかったことがポイントです。また、沖縄市登川にある工場が当初大きな財務負担でしたが、この工場のおかげで他社にはできない大量生産ができる強みがありました。大事なのは“業務の選択と集中”。単価が高く、配達を行っても利益を出せると考え、決断しました。

“選択と集中”の第一歩は、自社を見詰め直すこと!

経営をしているといろいろとやりたいことが出てきますが、目的達成のためには資源を集中しなければなりません。目的の整理が大事で、「やりたいこと」「やらなければならないこと」「できること」、この3つが重なっていれば“やる(チャレンジする)理由”になります。逆に3つが重ならないとなかなかうまくいきません。

私には経営の師匠がいて、これはその方の教えなのですが、「戦略は作るものではなく、削り出すもの。『やらないこと』を決めていく」。経営とは、“減らす”作業なんです。個人的には、①競合が少ないこと、②顧客が求めていること(マーケット)、③提供できること(自社の強み)を見ていきます。まずはコアコンピタンス()をしっかり突き詰めることが大切です。

創業したばかりでコアコンピタンスを見付けられない時は「他社が真似できないこと」を探します。経営者の人格や「この人だから買いたい」といった地縁(創業者のネットワーク)も大きな強みです。それだけでもマーケットはきちんと確保できます。それを積み上げて、徐々に相乗効果のある強みを考えていきます。

「選択と集中」で企業をトランスフォーメーション(変化)させていく。大切なのはITを使うことではなく、自社の強みを把握して集中すること、目的の整理、これまでのノウハウをスタッフが意識するといった経営改善の取り組みであることを、上間氏の歩みが教えてくれる。

※API=Application Programming Interfaceの略で、ソフトウェア同士を接続するプログラムのこと。ここでは「会計freee」と、上間弁当天ぷら店のノウハウが蓄積されたEXCELを連携(接続)することを意味する
※コアコンピタンス=他社には真似のできない自社の核となるスキル(能力)

【PROFILE】
上間喜壽(うえま・よしかず)
株式会社上間フードアンドライフ代表取締役会長
U&I株式会社代表取締役社長
SCOM株式会社取締役

1985年沖縄県うるま市生まれ。法政大学経営学部卒業後、2億円の負債を抱え財務トラブルに陥った家業の立て直しのため代表に就任。就任後9年で売上を1億円から6億円に成長させ、お弁当を軸に、ケータリング、沖縄そば等事業多角化を推進。
U&I株式会社では、事業立て直しの経験から得た実践的なノウハウを、セミナー活動やマネジメントコンサルティングを通じ経営者に伝えている。沖縄の中小零細企業から大企業まで、経営戦略、マーケティング、会計、財務、ITシステム等を用いてクライアントの経営課題解決を支援する。「沖縄の企業活動を変えていく」というミッションを達成するために日々奮闘中。

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