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生産者のマインドの変化をしっかりとサポートし、沖縄の経済に貢献していきたい | ResorTech Okinawa
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(第2部)琉球通運航空が目指すサプライチェーン改革と生産者支援について

琉球通運航空株式会社は生産者や市場・流通先との強固なネットワークを持っている。商社の側面を持つ同社が目指すのは、効率的な物流はもちろん、生産者と市場・流通先双方の情報を活用した“沖縄版サプライチェーン)”だ。実現すれば、より確実に消費者ニーズに対応できる商流を生み出すことが可能になり、 “三方よし”の未来が訪れる。

こうした未来が描けるのは、創業当時からの企業理念を心に刻み、各取引先との信頼関係を築いてきたスタッフ一人一人の力があってこそ。現在、IT企業との密な連携のもと、デジタル化・DX化、“沖縄版サプライチェーン”の構築を急ピッチで進めている。

※サプライチェーン=「サプライ=共有」が「チェーン=連鎖」していくということからできた言葉。生産者や製造者が原材料や部品を調達するところから、製造、在庫管理、配送(輸送)、販売、消費者に届くまでの全体の流れのこと

 

全ての取引先を巻き込んだデジタル化でサプライチェーンを拓く

関代表取締役社長(以下、敬称略):私たちの仕事は、生産者から預かった生花や鮮魚などを、鮮度を保ってスピーディかつ確実に流通先である全国各地の市場などにお届けすることです。

関:集荷する生鮮品目については、主にファックスやLINE、電話で連絡が来ますが、出荷量は現場に行ってみなければ分からない状態。現場から空港の仕分け担当スタッフへの連絡もLINEや電話なので、品目と出荷量に間違いがないか確認せねばならず、どうしても余計なタイムラグが生じてしまいます。

関:そこで、タブレット等を活用し、集荷スタッフが現場で入力した情報が市場・流通先まで一気通貫、リアルタイムで把握できるようなシステムを考えています。

営業統括部課長・高良勇太氏(以下、敬称略):現状、弊社の取引先はほぼアナログでデータ処理を行っている状況です。まずは私たちが先んじてデジタル化を進め、航空輸送システムを導入し、一緒に使っていただくことを考えています。市場のニーズ把握のためにマーケティングデータなども連携させ、販売先を広げるお手伝いもできればと思います。

高良:生産者(売り手)と、市場・流通先(買い手)を受注システムで結び、サプライチェーンを拓くことにとてもワクワクしています。私たちが目指す「三方よしの未来像」を共有しながら、取引先と一緒にビジネスを発展・拡大していく形を作りたいですね。

関:新しい受注システムは、2021年11月〜12月の稼働スタートを目標に、スタッフ一同、急ピッチで進めています。まだまだこれからですが、「先頭を走っている」という気概を持って、取引先をリードしていきたいですね。

高良:苦労は多いですが、既にデジタル化を進めている企業とも連携しやすくなり、物流サービスの領域を広げられる手応えを感じています。また、今回、富士通Japan様を通じ、本来であれば競合となる他の物流会社との連携も模索することができました。沖縄の物流の可能性を、どんどん広げていきたいと思います。

デジタル化で実現する効率化とその先の未来

高良:そのほか、荷物の重さを計る「デジタル重量計」も導入します。取引先や配送物のデータが集約されているクラウド型のシステム「DRIVE DOOR(ドライブ・ドア)()」と連携させて計量データを含むラベルを印刷、ハンディーターミナル(端末)(※)でスキャンするだけで出荷手続きが可能になります。伝票が手書きからデジタル出力になり、目視による点検がハンディーターミナルでの読取りで完了。各手続や確認作業がスピードアップするほか、人的ミスも軽減できるでしょう。

高良:空港には、世界的企業も使っている精度の高いマテリアルハンドリング(マテハン)()を導入します。これにより、どの空港に、どの航空会社で、何がどのくらい運ばれるか、送り先別のコンテナ情報と荷物情報を紐づけ、着地側に配信できるようになります。

高良:今後は配送先代理店にもハンディーターミナルを置いていただき、販売先情報を入手できるようになるのが理想です。サプライチェーン上でこれらの情報がつながれば、私たちは大きなビッグデータを取り扱うことになります。

高良:こうしたデジタル化によって、空港現場ではアナログ作業の60%を効率化できる予測です。9人でやっていた業務を約3人でこなせる計算ですね。浮いたリソースは、創業以来大事にしてきた「お客様との対話」の時間に充てます。もっと深くお客様の悩みに寄り添い、解決し、お客様と共創する方向にシフトする。そして、より大きなビジネスにつなげていきたいですね。

※DRIVE DOOR=クラウド型の運送管理システム。運送業に必要な、運送管理から収支・労務管理までの機能がパッケージ化されている
※ハンディーターミナル=センサー、画像処理の分野で商品開発をするKEYENCE社が、物流現場向けに提供している端末。出荷時の確認、手続き等をスムーズに行うことが可能となる
※マテリアルハンドリング=通称「マテハン」。生産拠点や物流拠点で、原材料や製品などの積込み、搬送、保管、出荷手続など、「モノ」を移動すること全般を指す

 

 “生産者をサポートする物流会社”として沖縄経済に貢献したい

関:弊社の根底には、グループ創業者・新垣安二が掲げた企業理念「真実一路」の精神が流れています。人と人とのつながりを大切に、地域社会に信頼され、愛され、共生する企業としてあるべき姿を常に考えているんです。

関:創業当初から在籍するスタッフはもちろん、入社間もないスタッフも、この企業理念を大切に受け継ぎ、誰に対しても丁寧に接する姿勢があります。取引先との関係は深く、密になりますが、その中でも接する時間の長い生産者との距離は特に近いですね。漁港では漁師に間違われることもありますし(笑)、水揚げした魚の梱包作業を手伝ったり、時には弊社スタッフが氷の詰め方や梱包材の使い方などを指導したりすることもあります。ただ荷物を運ぶだけではなく、生産者との親密な関係を築いていることは、他の物流会社とは明確に異なる部分であり、弊社の強みだと思っています。

高良:梱包材を変更することでより長く鮮度を保つといった、漁師の方々では対応が難しい部分の提案や改善を行い、一緒に汗をかいています。今後はこうした関係性をデジタル化でさらに進化させ、情報連携でリードタイムを短くしたいですね。配送先情報を把握できるようになれば、課題やニーズをいち早くつかみ、それに基づいて取引先にさまざまな提案ができるようになります。さらに生鮮品の品質を上げて付加価値を高めるサポートをすることで生産者に貢献していきたいと思っています。

関:先輩方が時間をかけて築いてきた信頼関係があるからこそ、漁師の方々は、海上から「今日の漁獲量はこれくらい、〇時頃入港するので(集荷を)お願いします」と直接連絡を下さいます。生花に関しては市場に精通したスタッフがおり、生産者から、「売り先があるか」という問い合わせが入ります。「物流会社にこんなことを聞くの」と、富士通Japan様にも驚かれました(笑)。こうした人が培ってきたノウハウを加味したデジタル化で市場予測も可能になります。

高良: 現在、こちらも富士通Japan様と糸満産キンメダイ「かりゆしキンメ」のブランディングを進めていますが、プロジェクトの内容や進行具合などに役員も興味を持って積極的に関わってくれます。びっくりしたのが、かりゆしキンメを提供する食工房まほろば様まで自発的に食べに行ってくださっていたこと。私たちがお願いしたわけでも、役員会で決めたわけでもないのに、「先日社長が来られました」「役員の○○さんが食べて下さいました」とお店のスタッフから聞かされるんです(笑)。社風の「誰にでも丁寧に接する姿勢」は、取引先だけでなく社内のスタッフに対しても同様。役員からの応援の気持ちを感じられて、現場はさらにやる気が出ます。本当にうれしく、ありがたいですね。

関:今、沖縄は漁師が代替わりしている最中。将来的に資源が枯渇するのではないかといった不安に加え、コロナ禍で商流も細くなってしまいました。しかし、仲買が買ってくれない状況を逆手に取り、「自分たちで売る」といったポジティブな変化も起きています。私たちはこうしたマインドの変化をしっかりとサポートし、沖縄の経済に貢献していきたいと思っています。

関:2020年に創立50周年の記念誌を作りました。先輩方にインタビューを行い、創業時からの思いや苦労を伺うことで、弊社の存在価値を改めて考えさせられましたね。また、当時からお付き合いのある生産者にもお話を伺い、ある方からは「他のどの会社も断るような遠隔地からの少量の集荷にも応じてくれた」という言葉もいただきました。「お客様のより近くに」という思いを新たに、今後も歩んでいきたいと思います。

<関氏のインプット術&座右の書>

最後に、関氏に仕事に関する情報のインプット方法や、大事にしている「座右の銘」ならぬ「座右の書」について聞いた。

関氏のビジネスマインドを支えているのは、各企業の社長との対話で得る“リアルな情報”

関:“インプット”というほどではありませんが、私は長年金融業に携わっており、その時代から各企業の社長と対話し、“リアルな情報”を得ることを大事にしています。日々の業務の中では、優先度が最も高いですね。密度のある確かな情報が入って来ますし、私自身の成長にもつながっていることを実感しています。

関:大事にしている本は、後藤静香(ごとう・せいこう)さんの詩を集めた、「『心』が強くなる48の詩―後藤静香が遺したことばの至宝」(吉田貞雄著)です。

特に好きなのは「本気」という詩。「本気にすれば大ていな事は出来る。本気ですればなんでも面白い。(後略)」というシンプルな言葉が綴られていて、それが心に残っています(ご自身の手帳に書き写されている)。普段からいろいろな本を手に取りますが、この本は20〜25年にわたって何度も読み直しています。

【PROFILE】
社名:株式会社琉球通運航空
住所:沖縄県豊見城市字豊崎3-26
設立:1970年7月2日
役員:代表取締役会長 新垣直人
代表取締役社長 関孝治

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