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できることを探し、行動する。地元企業が牽引する観光地・西表島の価値向上 | ResorTech Okinawa
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西表島交通グループは、西表島のバス、タクシー、レンタカー、自動車整備の西表島交通株式会社、遊覧船・カヌーツアー・土産販売を担う株式会社東部交通、スーパーやガソリンスタンド経営を行う株式会社玉盛商会で構成される、西表島のインフラと観光を幅広くカバーする企業グループです。
代表取締役社長を務める玉盛雅治(たまもりまさじ)さんは、イリオモテヤマネコのロードキル対策のため、自社のレンタカーにドライブレコーダーと位置情報を組み合わせて実証実験を行い、500件超の速度超過を20件弱にまで減少させる成果を挙げました(記事はこちらから)
環境を守りつつ観光地としての価値を高め、経済発展していくために、西表島には何が必要か。「観光客のニーズを探り、改善点やPRするターゲットを考えよう。自分たちにできることを探そう」という視点から様々な取り組みを行う玉盛さんが、グループ会社内で進めるデジタル化、キャッシュレス化、効率化についてお伺いします。

西表島の観光産業が抱える課題に、自社グループのデジタル化でアプローチ

竹富町観光協会の役員を務めたこともある玉盛さんは、西表島の観光産業が抱えている宿泊者数の伸び悩みや観光産業に関わる人手不足といった課題に、デジタルを使って取り組む必要があると考えています。

「西表島は個人が営む小規模な事業所がほとんどで、経営基盤が弱く大きな設備投資は難しい。それでも、キャッシュレス決済など、現在必要不可欠になっているデジタル導入を少しずつでも進めていくべきだと考えました。

それさえあれば、自然の中で過ごす体験やデジタルデトックス、言い換えれば“不便さ”を求めるお客様に、“不便だけど少し快適”という側面からアプローチできるはずです」

また、観光産業で働く人を確保し、質の良いサービスを提供するためにも、デジタルによる効率化は欠かせない、というのが玉盛さんの考えです。

人手不足は竹富町全体の慢性的な課題です。観光産業は地域の行事やお盆・正月休みが取れず、地元の人は働くことが難しい。島外から若い働き手を雇っても、数年で別の土地に移ってしまうことが多く、なかなか定着しない。デジタルツールで効率化・省人化を図るとともに、できる限り誰にでも可能な業務へと変えていく工夫が必要です」

玉盛さんはこうした課題に対し、「外的要因のせいにして立ち止まるのではなく、自分たちにできることを探そう」と決意。グループ会社で経営するスーパー、ガソリンスタンド、路線バスのデジタル化を進めています。

様々なツールの掛け合わせでスーパーのサービス向上・省力化を実現

玉盛スーパーは、西表島東部にある大原港にほど近い場所に立地し、地域住民の食を支えています。

2007年頃に全日食チェーン(※1)に加盟、2013年に低価格で利用できるチェーン提供のPOSシステム(※2)の導入が行われました。これによりキャッシュレス対応、販売データの保存・分析、商品登録の自動化など様々なシステムを低価格で利用できるように

加盟当初は、発注から納品までタイムラグが生じ調整が難しいという理由から、離島では自動発注システムが利用できませんでした。それでも、本部を説得して離島用にアレンジし、2018年頃から導入しています。

「東京の全日食本部まで出向いて『輸送に海路を2度使う離島は西表くらいのもの。うちでできれば他の離島でも導入できる』と説得したんです。2人の職員を派遣してもらい、約10日間をかけてシステムを構築。システムに任せることによって、手動の場合に起こっていた欠品や過剰在庫が大幅に改善されることがわかりました。微調整を経て売上125%増を達成し、現在はチェーンに加盟する全離島で使用されています」

時間ごと、部門ごとの売上データはリアルタイムで反映され、スマホアプリやパソコンから社員全員が確認できる仕様。各部門で売上目標を決め、月次の決算を黒字にするといった取り組みも進んでいます。

勘に頼らず、データを見ることが大切。毎日社員と共有し、数字にもとづいて改善点や目標を具体的に話し合っています。ミスとその対策も蓄積されていくので、覚えるまでに3年かかっていた販売管理業務が1年ほどで可能になっていると感じます」

その他、自動釣銭機による釣銭計算・レジ締め作業の自動化、セルフレジ導入など、様々な効率化を進めています。

機械に任せた方がミスなく効率が良くなるものもあります。自動釣銭機は、導入以前は1回15分×6回、90分必要だったレジ締め作業をほんの数秒で終わる作業に変えてくれました。セルフレジは1台のみの導入ですが、その分手の空いたスタッフはフロアでお客様対応ができ、よりサービスの質を上げることにつながっています

※1 全日食チェーン:全日本食品株式会社の加盟店舗約1600による食品ボランタリーチェーン(加盟店が同じ目的や利益の共有のために協力し、組織としてチェーン展開する団体)。沖縄は離島を中心に10店舗以上が加盟する
※2 POSシステム:「販売時点情報管理」を意味するPoint Of Salesの略語。すべての売上実績を販売が発生した時点で個別に管理し、何が・いつ・どこで・いくらで売れたのかをデータで“見える化”でき、物品販売の売上実績を単品単位で記録し集計するシステムを指す

LPガス業務へのシステム導入、定休日設定で人手不足に対処

西表島交通グループは、島のインフラを支えるガソリンスタンドも運営しています。自動車用のガソリン販売に加えて一般家庭・事業所用LPガスも取り扱っており、住民の生活になくてはならない事業です。
一方で、ガソリンスタンドは観光客のためにお盆、正月を始め地域の伝統行事の日も休まず年中無休で営業していたことから、地元の人に働いてもらうことが難しく、人手不足が常態化していました。

そんな中、所長を務めていたスタッフが突然離職。

頭を抱えた玉盛さんでしたが、当時主任だった若い人材が『僕がやります』と所長に立候補し、人手不足を解消するために、様々な改革に意欲的に取り組み始めたのだそうです。

人手不足の解消に大きく役立ったのがLPガスの集中監視システムの導入でした。これは、「LPガスの検針に人手が足りない」という現場の悩みから玉盛さんが提案し実現したものです。
このシステムの導入により、従来は現地で確認するしかなかった検針や保安残量監視といった業務をスマホで行うことが可能に家庭や事業所を一軒一軒回っての検針業務がゼロになり、大幅な省力化を実現することができました

また、従業員にゆとりを持ってもらうため、日曜日を定休日にしました。

「日曜を定休日にしたんですが、今のところ苦情は出ていません。定休日を設けた代わりに木曜日を『島割デー』と名付けて割引販売を始めたところ、その日は客足が3倍になるほど好評をいただいています。
観光客にも、西表島は日曜日にお店が休みになる島だと思ってもらう。地元の方にも日曜日には給油ができないことをがまんしてもらう。皆が少しずつ不便を受け入れることで、誰もがゆっくりとした時間を味わえるようになるのかもしれません

島の環境を守りつつ利便性を高め、選ばれる場所へ

2018年には、西表島に住む人にとってなくてはならない交通手段である路線バスにもキャッシュレス決済を導入しました。
琉球銀行が独自開発・提供するカード決済端末をバスに搭載することで、クレジットカード、交通系を含む各種電子マネー、中国系モバイルアプリといった様々な決済に対応しています。

2022年には、主に観光客が使用する1日・3日フリーパスのチケットをデジタル化。利用者はスマホ乗車券アプリQUICK RIDE(クイックライド)を使用して事前に購入、乗車時に画面を見せるだけという手軽なものにしています。期限が切れると表示されなくなる仕様で、乗務員からも「確認が楽になった』と好評。事前購入ができるため西表島に着いてすぐ利用可能で、紙のチケットのように紛失や汚損の心配もありません

全国的にも珍しい路線バスでの多彩な決済サービスは、利便性向上・消費拡大を大きく後押しするものになりそうです。

那覇市に続き県内2例目となるEV路線バスの導入準備も終え、島の環境を守りつつ利便性を高める新たな取り組みを次々と進める玉盛さん。
バスのキャッシュレス決済は「島内ではあちこちにある電波の届かない場所でも可能なものに変えていきたい」と、さらなるアップデートを予定。ガソリンスタンドには、セルフ給油機の導入も検討中です。

雄大な自然の中で過ごす時間を楽しんでもらうために、必要十分なサービスを整える。西表島交通グループの取り組みは、観光資源である自然を守りながら、西表島を観光地としてより魅力ある場所へとブラッシュアップしています。

会社名 西表島交通グループ(西表島交通株式会社・株式会社東部交通・株式会社玉盛商会)
所在地 沖縄県八重山郡竹富町南風見201番地
代表者 玉盛雅治
設立  1972年5月
従業員数 2023年2月現在 70名
事業内容 西表島交通株式会社/旅客運送業(貸切観光バス、路線バス、タクシー、レンタカー、自動車整備)
株式会社東部交通/遊覧船、カヌーツアー、土産販売
株式会社玉盛商会/スーパーマーケット、ガソリンスタンド、プロパンガス販売

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